<絶望要塞・幻想の冒険者達
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プロローグ
 ランテラス王国、ラファンドラ要塞のウィンディオ=ファンドラッド将軍が服毒自殺をしたのは、真冬の一月の寒い日であった。将軍は、自室で毒を溶かしこんだ酒をあおり、人知れず、死んだ。そして、その一週間後、夜襲にあったラファンドラ要塞は、炎に包まれて陥落した・・・。将軍が自殺した日、それは王国暦398年、王国の暦にして霜鋭月15日のことである・・・。
 
 ラファンドラ要塞は、ランテラス王国の要衝であった。そこを破られると、王都までなだれ込まれてしまう。その理由からその要塞は、特別に重要視されていた
 ある時、普段から不仲だった隣国のエヴェドーラ王国が同盟を破棄して、ランテラスに攻め込んだ。原因は些細な王家同士の私怨からだったらしい。エヴェドーラは、魔法文明の栄えた国であった。様々な魔法博士が、強力な兵器を開発していたため、その軍事力はランテラスをはるかに凌駕していた。中でも、ランテラスの兵士達が恐れたのは、魔法によってつくられた魔の軍隊であった。それには、様々な種類がいるようであったが、例をあげると、合成魔獣や人の形をモデルにした人には似てもにつかぬ魔物のような兵士である。それらと人間の兵士の混成軍はあきれるほど強かった。特に、つくられた者達は、人間を殺すのに容赦すると言うことを知らないからである。
 エヴェドーラは、ラファンドラにまで攻め上った。時の要塞司令官は、名将とよばれたベテランの老将のファンドラッドである。しかし、そんな彼でもこの状況はいかんともしがたく、戦況はランテラス圧倒的不利のまま、要塞から出ず、にらみ合いをするばかりであった。
 そして、ある日、悪い知らせが王都から届いた。エヴェドーラにおそれをなした王や貴族は、もっと北の地へ遷都することになったというのである。そして、その際、ラファンドラ要塞に厳しい命令を出した。『敗走した場合、王国に生きて帰ってくることは許さない。最後の一兵まで、命の限り戦え。もし、王国に生還した場合、そのものを処刑する。』と。
 故郷には帰れない・・・、しかし、エヴェドーラの軍隊は強すぎて勝てる見込みもない。逃げても、行くところもない・・・。要塞の将兵は、深い絶望にとらわれた。
 そして、この要塞に派遣されて来る者は、決して生きて帰れない。絶望するしかない。そうささやかれるようになった・・・。何時しか人は、ここを絶望の要塞・・・絶望要塞とよぶようになった・・・。
 
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akihiko wataragi presents
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