昔、人々は、遠い国まで自由に旅ができたという。
しかし、そんな矢先、ある事件がおきた。
世界はまばゆい光とあまりの衝撃に包まれた。
大陸はばらばらになり、島がたくさんでき、海水がその割れ目に入り込んだ。
多くの悲しみと苦しみを生み出し、しかし時間がそれを忘れさせた。
そして、今、また船が外洋を航海する。
圧倒的に面積の増えた海を……
プロローグ
大昔、一枚の古い地図があったという。
それが何の為に使われるのか、本当は人々は知らなかったが、誰もがその地図を欲しがった。
あるものは、莫大な富を得られると信じ…
あるものは、信じられないほどの名誉と羨望のために…
あるものは、それに秘められたある「力」を欲して…
そして、あるものは、好奇心という時に危険な欲望を満たすために…
人から人へと地図は渡り歩き、何処にあるか、その所在は常に知れない。
だから、それを人は、いつの間にか『知らずの地図』と呼んだ。